谷川さん@双風舎が語る『バックラッシュ!』の成り立ち

 みなさんこんにちは。昨日も言いましたが早速予約を入れてくださったみなさま、ありがとうございます。おかげで発売までまだ1ヶ月も前なのにアマゾンのランキングでは最高200位台まで上昇しました。たくさんの人がこういう本を待っていたんだなぁと、期待の大きさに感激しています。このままの勢いで追いつけダ・ヴィンチ・コード、追い越せ涼宮ハルヒ!(ウソ)
 さて、今日は『バックラッシュ!』を出版するひとり出版社・双風舎の谷川社長にこの本の成り立ちについて語ってもらいました。

 ある日、東京・千駄木往来堂書店に立ちよってみると、「男女平等バカ」という文字が目に飛び込んできました。よく見ると、それは『男女平等バカ 年間10兆円の血税をたれ流す、“男女共同参画”の怖い話!』(別冊宝島Real069)という本の装丁に大書きされたものでした。

 「男女平等」と「バカ」がどのように関連しているのか。そう思った私は、さっそく同書を読んでみると、「つくる会」『正論』『諸君』的な論調で、ただただジェンダーフリーを叩くような内容に、あきれかえってしまいました。

 普段は、それほど男女平等やジェンダーのことを考えていなかった私も、さすがに同書のタイトルと内容には大いなる刺激をうけました。本作りに従事するものとしては、刺激を与えてくれるものは何であれ、大歓迎です。そこで、「男女平等で、何が悪い!」と思った私は、ある人に企画の相談をしました。そのときに、同書に見られるような言説や論調が「バックラッシュ」と呼ばれる現象だということを、はじめて知りました。

 私自身は、「ジェンダーフリー」という言葉を擁護するわけでも非難するわけでもありません。そもそも情けないことに、この本を企画するまで、「ジェンダー」という概念について、正面から考えたことはありませんでした。とはいえ、同書に代表されるような「ジェンダーフリー」をめぐるバックラッシュ現象のひどさは目に余るものがあり、ここらでどうにかできないものかと考え、この企画を思い立った次第です。

 さっそく、執筆者を選びはじめたのですが、お断りの返事をいただいたのは、たったのひとりだけでした。目次に掲載されている執筆者の方がたからは、どの方も一発OKの返事をいただき、「この企画はいけるぞ!」と気分が高揚しました。

 企画当初は、マンガやアンケートを掲載しようなどと、欲張りなことを考えておりました。でも、これだけの執筆者から原稿をいただけるだけでもありがたいし、書いていただいた(話していただいた)原稿はできるだけ全文掲載したいと考え、余計なことを考えるのはやめました。

 双風舎のブログにも書きましたが、本書は「ジェンダーフリー」をめぐる現象や動きをテーマにはしているものの、けっして「ジェンダーフリー」を擁護するための本でもなく、非難するための本でもありません。ここは大きなポイントです。そのことは、執筆陣の顔ぶれを見ても、おわかりになるかと思います。

 とにかく、そろそろバックラッシュなんてやめて、またバックラッシュされる側もなぜされるのかを熟考したうえで、第三の道をさぐろうではありませんか。それが本書の主たるコンセプトなのです。

 この本一冊でバックラッシュが起こらなくなるなんて、ちっとも思っていません。おそらくバックラッシュをする人びとは、「ジェンダーフリー」にかわる次なる獲物を、虎視眈々と狙っていることでしょうし。

 とはいえ、その次なる獲物がバックラッシュの餌食になったとしても、本書を一読しておけば、「ジェンダーフリー」で起きたバックラッシュの応用問題として、その現象を眺めることができるでしょう。そして、バックラッシュをする人びとに対して、きっとこう思うことでしょう。

 「あー、なんてアホらしいことをやっているのだろう。いい加減、やめれば!?」

 そんなことを考えつつ、ゲラと格闘している今日この頃です。

 さて週末です。明日は本書『バックラッシュ!』からの前書きを公開します。そして明後日の日曜日には、いよいよこの本が当たるプレゼント企画を発表する予定です。どうぞお楽しみに!