『バックラッシュ!』初版は何部になる?/装丁が最終決定

 こんにちは、みなさま。『バックラッシュ!』キャンペーンブログの時間です。木曜日の今日は『バックラッシュ!』に生活を賭けている双風舎社長・谷川さんの登場です。出版業界の内幕が気になる人には興味深い話もありますよ。みんな、『バックラッシュ!』を予約して谷川さんにおいしいご飯を食べさせてあげてください。谷川さんからのメッセージは以下:

 東京周辺は、けっこう暖かくなってきました。
 3時間くらい寝て、あとは原稿を読み続ける日々がつづいていますが、けっこう蒸し暑いので、いつも窓は全開です。
 とはいえ、i-TUNEでサンボマスターとか銀杏BOYZとかガンガン聞いているので、いつ近所からクレームがくるかとびくびくしている今日この頃、みなさんいかがお過ごしですか?
 編集作業は、ほぼ順調に進んでいます。
 18本あるうちの1/3は、すでに再校ゲラのチェックが終了。1/3は、再校ゲラをチェック中。残りは、これから再校ゲラが出ます。
 「そんなペースで大丈夫なの〜?」と思われるかもしれません。でも、これはいつものペースなので、そんなにあせっていません。どうにかなるものです。
 どうにかなるのは、デザイナーさんと印刷屋さん、そして今回は企画段階からお手伝いをしてくれているchiki大先生の絶大なる協力があるからこそ。原稿の編集作業がおわるのは、おそらく来週の金曜あたりになると思います。
 さて、気になる事前注文数ですが……。
 『バックラッシュ!』については、5月22日から本格的な営業をはじめました。ちょうど一週間が経過した昨日の段階で、注文総数は約1700冊となっています。
 この数字をどう見たらいいのか?
 私としては、かなりいい線をいっていると思います。ここ数日は、書店からの客注(読者が書店に注文した分)が入るようになりました。まだ出ていない本なのに、わざわざ読者が書店で予約をしてくれるなんていうことは、人文書といわれるジャンルの本では、なかなかないことだと思います(いかがでしょう、同業者のみなさん?)。
 半年前に出した『限界の思考』(初版6000部、重版2000部)よりも滑り出しは好調です。客注の入り具合からいっても、読者の注目度は『限界』よりも高いような気がします。ということは、初版は何部になるのだろう……。なんて危険な皮算用は、出版社の社長ならばけっしてしてはいけません。(笑)
 コケたら怖いですからね〜。生活かかってますから。そこは慎重に、慎重に。
 さて、今回は『バックラッシュ!』の今後を占う意味で、昨年出した2冊の本の返品率について触れようと思います。返品率というのは、返品数÷出荷数で算出する数字で、出荷した本が実際にどれだけ売れているのかを判断する材料となるものです。
 いうまでもなく店頭に並んでいる分も出荷数に含まれるので、発売当初に返品率を気にしても、あまり意味がありません。そういう意味でも、発売から半年が経過している『限界の思考』と『デリダの遺言』の返品率を参照することは、その2冊が実際にどれだけ売れたのかを判断するためのいい材料になります。
 開業当初の1年は、見込みでじゃんじゃん刷ってた時期もあり、そのせいで2度くらい、資金繰りが行き詰まるようなピンチがおとずれました。そのことを教訓に、現在の弊社は、書店から事前に注文をいただいた冊数を元に初版部数を決めています。
 その結果は、たとえば『限界』と『デリダの遺言』だとこうなります。
 『限界』は2006年5月30日の時点で、総発行部数8000部、総出荷数7472冊、返品数528。返品率7%。
 『デリダ』は同じく、総発行部数2500部、総出荷数2292冊、返品数194。返品率8.5%。
 一応、いずれの本も返品率が10%をきっています。店頭陳列分のすべてが返ってきても、おそらく10%前後になると思います。これだけ返品がすくないということは、第一に書店人の方がたの目利きがいかに正確で優秀なのかを示している、ということです。第二に、弊社が無駄な冊数を刷っていないことの証にもなります。
 『バックラッシュ!』もこれくらいの返品率になるべく、初版部数は慎重に判断しようと思います。上記の数字が判明してしまうと、あとは印税や印刷代などの諸経費を差し引いた双風舎の利益がだいたい25%くらいであり、そこから家賃や光熱費などの費用を差し引けば、私のおおよその収入はわかってしまいますね。
 そうです、世間でいわれている40歳代の平均年収などは、比べものにならないくらい低いのです。(笑)
 「カネで仕事をしてるんじゃねえ!」なんてカッコつけていいたいものですが、けっしてそんなことはありません。やはり喰えるからこそ仕事ができているわけでして。でも、喰うための仕事が好きな仕事だというのは、とてもしあわせなことだと思っています(いまは寝ていても原稿の亡霊が瞼の裏にあらわれるような状況で、しあわせなどと呑気なことをいえたものではありませんが、これは一過性のものですから)。
 そうそう、大事なことを忘れていました。
 『バックラッシュ!』のカバーデザインが決まりました。書影を公開します。



 いろいろな意見があると思いますが、色もデザインも「あえて」このようにしてみました。次回は、オビ付きの書影を公開しようと思います。
乞うご期待!

 カバーデザイン、見ましたか? 以前のデザインでは上野・宮台・斎藤・小谷の著名執筆陣だけ名前が載っていたわけですが、これで文字が小さいとはいえ全員の名前が載るようになりました。小物執筆者的にはちょっとうれしいかも。谷川さんはまぶたに原稿の亡霊があらわれると言っていますが、林道義に土下座を強要される夢を見たという chiki の症状も深刻かもしれません。
 さて、明日金曜日ですが、当ブログ運営者の chiki に続いてこんどは『ポップ×フェミ』と題して macska が連載スタート。ポップな話題をフェミな視点から紹介します。ポップ×フェミの絡みで、でるぞ夏コミ!めざせ壁サークル!(ウソ)