『デビューボの泉』第五回 : 最凶ライマー登場だYO!

 あなたに向けられた憎しみを微笑みへと変えてくれる『デビューボの泉』へようこそ。今回取り上げるのは、保守論壇の期待のエース、中川八洋さんです。「PHPの人名事典」によれば「極論の人」という評価もあると書かれていらっいますが、中川さんの魅力はなんといってもその筆力にあります。その独特のフレーズ回しが持つ破壊力は他を寄せ付けず、さながら過激なDisを繰り広げるライマーのよう。2003年2月号の『正論』に掲載された「両性具有への人間改造 ジェンダー・フリー教育の正体」は次のように始まります。

 かつて日本の歴史で、学校における子供たちがこれほどの「精神の虐待」「人格への暴力」を教師から受けるという事態を想像しえたものがいただろうか。教師が密室の教室を悪用して、生徒の正常な人格を破壊するという、非肉体であっても、明らかな「傷害」と見なしうる暴力的行為の実行が、この日本では黙認放置されている。「ジェンダーフリー教育」である。

 うは、マジDopeっすYO! 相手をファイク野郎(異常)、自分をリアルB(正常)というような二項対立を作り出すのは基本中の基本ですよね。さすが正論ヘッズだ、勉強になるYO!

 「両性具有への人間改造 ジェンダー・フリー教育の正体」では、ブラザーナカガワは続けざまに「ジェンダーフリー教育」を以下のようにDisってます。最初に断っておくと、以下は創作ではなく本当に「正論」や冊子に載っている言葉をそのまま引用したものであり、決して『ムー』とか『MMR』からの引用ではありません。ウソだと思うなら、図書館でチェックしてみよう! では、一気にいくから、目をかっぽじって、Check it out!

・「ジェンダー・フリー教育」は、一言で言えば人間改造という「生体実験」

・日本のマルクス主義の過激な女性革命家たちが作った“日本語”であって、世界のいかなるラディカルなフェミニストといえども、子供の人格をここまで悪魔的に破壊し尽くしても構わないという、この種の言葉はおもいつくことはなかった。

・正常性を完全に喪失したフェミニストの過激な人間改造とそれによる社会解体の狂気

・闖入した精神異常者たちが凶器によって子供たちを好き放題に切り刻んでいる殺人・傷害となんら変わる所がない

ルサンチマンのみで行動して、自制というものがない。

・人間と社会に対する破壊への衝動がすべてである。

・すべての子供たちの正常かつ健全な人格を破壊し、人格的に精神的に病人に改造して、一世代後には日本という文明社会・文明国家を腐敗的に破壊していく

・「ジェンダー・フリー教育」を注入された子供たちは、自分が男性なのか女性なのかの性の自己認識が不可能になる。自我を喪失すれば、それは“人格亡者”である。このような子供たちは社会に生きる能力も削がれる。社会を担う力は皆無となる。むろん、結婚しない/子供を産まない、非人間に改造されていく。人格亡者の群れとなった日本は、文明の社会の国としては確実に消滅する。

・世界で他国に例がないほど毒性が最も強い。劇薬と化している。

・アマゾネスをこの世の実在としたいとの狂気を漂わせて、男性に対して闘争する。

フェミニズムヴィールス菌が日本全国に爆発し伝染した光景は日々恐ろしいものになりつつある。

・いかなる社会もその脳は溶け内臓は腐り確実に死に至る

ヒットラーゲッペルスの宣伝手法そのまま

・いや、ヒットラー以上に悪魔的狂気に冒されている

・健全で正常な文明社会への憎悪と呪詛を実行するカルト宗教

・神仏も仰天する“男女の育て分け”という“悪魔の改造”

・“腐った鰯の頭”を「神」として拝跪する狂人の群れに似ている。

・人為的・強制的に子供たちをレズやゲイに改造しようとしている

・日本人の近未来は、異性恐怖症からの同性愛が人為的に大増加するだろう

・発情期の野獣のごとく、性器と性交にしか関心がなく、性器と性交だけを論じているそれらの著作は不潔感の匂いのみたちこめている。

・「ジェンダーフリー教育」を受けた子供たちによって創られる未来の日本とは、偽が真/悪が善/醜が美/となった社会であり、少なくとも真偽/善悪/美醜が区別できない、共産社会と同じ社会である。いやそれ以下で、社会も人間も根本から転倒し狂気に浮遊し腐敗する、社会の崩壊である。

中川八洋「両性具有への人間改造 ジェンダー・フリー教育の正体」(『正論』2003年2月号)より

 うーん、すばらしいフリースタイルです。色々な指摘がありましたが、要するにジェンダーフリー論者の狙いは、「社会へのルサンチマン→性差をなくす→同性愛者が増える→少子化→日本崩壊→(゚Д゚)革命ウマー」ってことなのです。これで正体がばらされたワックなジェンダーフリー論者は、本文にあるように「水戸黄門の印籠の前でうろたえ地べたに平伏する(そしていずれは切腹を申し付けられる)悪代官にならざるをえない」はずです。素敵だぜ、ブラザーナカガワ a.k.a プロフェッサーNy! 

 この非凡な才能は、日本政策研究センターという保守系シンクタンクの「これがジェンダーフリーの正体だ 日本解体の「革命」が始まっている」という小冊子でもいかんなく発揮しています。サイファーめがけて、食らわしてやってください第二段。

ジェンダー・フリーによる性別秩序の解体という事態とは、まさしくこの「暴力革命」を代替する「別の手段」の一つ

ソ連の崩壊によって追い詰められた共産主義者たちが新たに活路を見出した運動

・自分が男なのか女なのか分からないという自己の人格の認識もできない日本人、家族をどう作っていくのかも分からない日本人に改造して、最終的に日本に日本人そのものがいなくなってしまうシナリオを遂行する革命方法

・日本人の人格の正常性そのものを自壊さえ、日本の社会・国家を滅亡させてしまう新種の革命の方法

・数千年間の文明の人類史上初めての、きわめて異常な革命運動

・「素晴らしい世の中」の「世の中」すら存在しない、「暗黒の砂漠」の到来

・「男性という人間」「女性という人間」を抹殺して人間ではない「無性人間」を幻覚させる強力な麻薬効果をもつ

・人間をレズやゲイ、あるいはバイに改造しようという意図が見え見え

・日本人全員をセックス・サイボーグみたいにする教育が、高校はむろん日本の中学校ですら実行されようとしている

・日本のフェミニストたちのどす黒い狂気からの産物

・許してはならない悪魔的な犯罪

・子供たちは百パーセント人格喪失に陥る

・子供たちは必ず精神分裂症患者のような精神疾患をもちます。少なくとも擬似精神分裂症患者にはなるはず

・結婚や出産が出来なくなるような「知」を子供たちに一気に注入して、日本列島を「人口ゼロ」の廃墟にしてしまおう

・日本の社会から「結婚」という概念が確実に消えます。これは時間の問題

・“正常な男女性愛”を否定し、それを同性愛や性同一性障害と同列に扱うと子供たちはどうなるか。子供たちが大人になったとき正常な男女関係あるいは正常な夫婦関係をもとうとする意欲に決定的な欠損(トラウマ)を生じさせる

・「ジェンダー」という言葉を日本から一掃しない限り、日本の亡国は必至だということ

・内閣にある男女共同参画局が中心になって法務省とか厚生労働省とか文部科学省とかとタイアップするシステムが作られていて、官僚全体がものすごい勢いで日本の子供たちの人格改造革命を推進

・やりたい放題にジェンダーという狂気(阿片)をすえ!と強要

・子供たちは毎日、過激フェミニストたちのイデオロギー洗脳のシャワーをもろに受けている。その理屈が一旦、脳に入ったら、狂気であるジェンダー・フリーの思考をする、狂気の子供たちが必ず出来上がります

・三十年たったらジェンダー・フリー賛成派と反対派は確実に「百対〇」になります

・“腐った鰯の頭”を「神」として拝跪する狂人の群れにたとえてもよい

中川八洋「これがジェンダーフリーの正体だ 日本解体の「革命」が始まっている」(日本政策研究センター)より

 WOW! なんて危険なリリカルマダラーなんだ、マジでハンパないお方です。それもこれも、愛するNIPPONをラブとピースなバイブスで包むため。そして地元のTUKUBAをレペゼンし、リスペクトするホミーたちと笑いあうため。圧倒的に高度なテクニックを見せ付けてくれます。

 ただ、ちょっと理解できない部分もあります。例えば「日本人の近未来は、異性恐怖症からの同性愛が人為的に大増加」するのに「日本人全員をセックス・サイボーグみたいにする」ことが出来るのはなぜなのか不思議だったり、「発情期の野獣のごとく、性器と性交にしか関心がなく」「日本人全員をセックス・サイボーグみたいにする」のになんで「日本列島を「人口ゼロ」の廃墟にしてしまおう」ということになるのか不思議だったり、あるいは「共産主義者たち」なのに「(阿片)をすえ!と強要」するのはなぜなのか不思議だったり、「ヴィールス菌」って、ヴィールスなのか菌なのかどっちなんだよと思ったりしちゃいます。でも、それは論理が矛盾しているのではなく、きっと論理があまりにもハイレベルだからなのです。ほら、フリージャズだってシロートが聴くと騒音にしか聞こえないしね。

 というわけで、これほどイルなスキル持つドープMC、誰よりも頼れるマイメンMR.NAKAGAWAには85デビューボをプレゼントっ!
 なお、言葉の意味が分からなかった人は、東京生まれヒップホップ育ちの悪そな奴に尋ねましょう。きっとだいたい教えてくれます(ウソ)