増刷完了、早くも第二刷納品!

 こんにちは、みなさま。『バックラッシュ!』が発売して二週間ちょっと。この本の登場によって、ネット上では「バックラッシュ」という言葉に言及する方も増えてきたように思いますが、気のせいでしょうか。さて、今週も双風舎の谷川社長から出版状況報告をいただきました。今回は谷川社長の日常が垣間みえて、谷川マニアにはたまらない内容になっているぞ!(ウソ)

みなさん、こんにちは。

おかげさまで『バックラッシュ!』は、いまのところ好調に売れているようです。増刷も無事終了し、明日には納品される予定です。

突然ですが、私が長く暮らした東南アジアの気候区分は熱帯モンスーンで、そのおおきな特徴は季節が雨季と乾季に分かれることです。で、雨季になると一日に一度、短時間で集中的な雨が降るようになります。紋切り型ですが、まさにバケツをひっくり返したような状態の雨です。この雨をスコールといいます。

本が発売されるまでの仕事量は、スコールのような状態でした。年に3冊くらいしか本をつくりませんから、つくった本の数だけスコールが降るような感じです。日常的に忙しければ、スコールへの受け入れ体制も身に付くでしょう。とはいえ、年に3回くらいですと、集中豪雨はけっこう身体にこたえたりします。

ですから、本作りというスコールが降ったあとは、たいてい1カ月くらい、ぼーっとしてしまいます。なんにもやる気が起きないんですよね。ギターを弾いたり、映画を観たり、漫画を読んだり……。むずかしい内容の本は、頭が拒否ってしまうので、あまり読みません。

でも、そういうぼーっとしているときに、企画が頭に浮かんできたりするから不思議です。双風舎が出した既刊の多くは、ぼーっとしている時期にぱっと浮かんだアイデアを実現したものなのです。そう考えてみると、ぼーっとする時期はあながち無駄ではないんだなあと思ったりもします。

大手や中堅規模の出版社だと、猫の手も借りたくなるようなペースで本の企画を考え、たえずいくつかの企画を掛け持ちしつつ、仕事を進行させている場合が多いようです。すごいなあ、と感心します。その仕事量もさることながら、よく企画が思いつくなあと感心します。きっと自分は、そういうところでは通用しないんだなあ、とも思います。(笑)

ここ数日は、『バックラッシュ!』を基点とするイベントをやろうかと、ぼーっとした頭で考えたりしています。執筆者のみなさんはご多忙な方が多いのですが、どうにかこうにか調整していただき、おもしろいイベントを実施できたらいいなあ。そうすれば執筆者と読書人と書店人が出会えますし。

あっ、そうそう、ひとつ白状しておかなければならないことがあります。『バックラッシュ!』のオビに書かれている「男女平等で何が悪い!」というリードですが、これはまったくもって私の独断によって生まれたリードでございます。別冊宝島の『男女平等バカ』というバカボン(バカ本)の存在が、わたくし的には『バックラッシュ!』刊行の発端であることから、どうしても本のどこかに「男女平等バカ」を裏返しにした言葉を入れたかったのです。もちろんアイキャッチを目的とした、営業的な意味合いも含まれていますが。

リードに「男女平等」を入れることには、執筆者のなかでも賛否両論がありました。それはそうですよね。オビに「男女平等で何が悪い」と書かれてあれば、『バックラッシュ!』という本の全体が、「男女平等推進」であるかのような印象を読者にあたえてしまうかもしれません。本文を読めばわかりますが、けっして執筆者が「男女平等推進」で足並みをそろえているわけではありません。この点はけっこう重要だと思います。

別の意味でいうと、『バックラッシュ!』という本の各論ではなく全体を、「男女平等」という切り口で批判したり批評したりする方は、オビはしっかり読んでいるけれども、本文をきっちり読んでいない可能性がある、ともいえそうです。もちろん、すべての批評がそうだとはいいませんが。

オビのリードで盛り上がり、そのまま踊ってしまうか。本文をきっちり読んで、オビのリードは半分ネタなんだと気づくか。分厚い本なので、前者になってしまう気持ちはわかります。ですが、そこをなんとか踏みとどまっていただかないと、下手に「男女平等」を引き合いに出して『バックラッシュ!』を批評してしまった場合に、「ぜんぶ読んでいない」ということがわかってしまうわけでして……。

バックラッシュ!』のオビ文と本文の関係は、そんなひねくれた関係となっておりますので、みなさんくれぐれもご注意くださいませ。(笑)

ひょえー、そんな仕掛けがあったんですね。言いっぱなしを許さず、書評者の知性すら試されてしまう『バックラッシュ!』ですが、これからも議論の中心になっていくこと間違いなし。まだ手にとっていない方は、是非最寄の書店に駆けつけよう!